005 八ツ見のはし

「八ツ見のはし」 

(安政三年(1856)八月 夏の部) 

 

 「八ツ見のはし」といわれた所以は、西に道三堀の銭瓶橋、道三橋、北に外堀の常盤橋、 南に外堀の呉服橋、鍛冶橋、東に日本橋川の日本橋、江戸橋、それに一石橋を加えて 八橋が見えたから。  

 前面に外堀の水路が拡がり、荷物を運ぶ瀬取船は二人の船頭が操っている。

漁船が棹を 立てて舟を止め四つ手網をおろしている。左の漁船は四つ手網が上がっている。

奥行き 方向が道三堀で、手前に銭瓶橋、奥に道三橋が見える。

中景は江戸城、丹沢の後ろに 富士山がそびえる。橋のたもとのしだれ柳。

燕が飛び交う。

いましも傘を差して橋を 渡る人がいる。

東都名所八ツ見之橋真景三枚組では鳥瞰図で八橋全部を描く。   

鍬形蕙斎「江戸一目図屏風」(縦176.O㎝,横352,8㎝,1808年制作、津山郷土博物館蔵)には 一石橋北詰に柳の巨木が描かれ、この絵の柳と適合する。


「東京シティガイド江戸百景グループ」による

浮世絵

江戸時代に成立した絵画のジャンルである「浮世絵」を紹介してまいります。

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